読書・本

日本人はなぜ世界から尊敬され続けるのか 第四章

2011年09月18日
第四章は、『世界を魅了する日本人の美意識』です。

特に日本の美術や工芸が外国人に影響を与えたことが書かれています。

『日本人は不幸にして自然を制覇することを考えなかった。この点を除けば日本人の素養はゆうにヨーロッパ人に拮抗する』と記した方がおられるようです。
日本人(私)の感覚としては、なんと言われようと、自然は畏敬の対象であり、制覇する物ではありません。どうやら西洋人は自然を制覇する考えのようです。なるほどね・・・(と思うことあり)。制覇しようだなんて、人間の驕り以外の何者でもないと思ってしまうのですが・・・

近代化した文明を持つ国の中で、これほどまでに自然が残っている国は日本以外にないと聞いたことがあります。自然を壊して開発していることに心が痛みますが、どうやら海外は日本の比ではないようです。

花を愛する国民性ともありました。日本の家紋の多くは植物ですが、ヨーロッパでは猛獣だそうです。確かに。
草食民族なので、植物が常に身近にあったのでしょう。面白かったのが、植物と人間の部位が対応していると書かれていることです。目-芽、鼻-花、歯-葉、頬-穂。ううむ、なるほど。
色の名前も植物の名前が多いともあります。

ヨーロッパでは芸術は富裕層のものだけど、日本では万人のものとあります。
これは日本の芸術が自然から生まれた物だからかもしれません。常に身近にあり、大いに恩恵を受け、また牙をむかれることもある。だからこそ皆がよく観察してきたのでしょう。

日本人の趣味は渋めと言われた方もおられるようです。わびさびは渋いですね。
一般に神社仏閣も渋いです。でも一方で煌びやかな建物もあります。
対極にあるように感じるこの2種類、どうしてこうも対極かと聞かれても、日本人でもよく分からん・・・

大いに納得したのが、『(日本の芸術は)小なるものにおいて偉大だが、偉大なるものにおいて小』という言葉です。
色々な面において、日本人は芸が細かい。美術工芸の他に、和菓子なんかでも感じます。食べたいのは洋菓子ですが、見て楽しいのは断然和菓子です。和菓子って食べるものではなくて、飾っておくものではないかと思ってしまうほどです。
もしかして今の日本が元気がないのは、この辺りのことが裏目に出ているからかもしれないですね。
特に偉大になりたいとも思わない・・・ これが問題なのかな。

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