読書・本

世界一自由な脳のつくり方

2011年07月26日
今度は『世界一自由な脳のつくり方』を読んでみました。
アイディアの出し方のヒントを探して借りた本でしたが、毛色が違いました。
内容を一言で言うと、『このままいくと日本はダメになる、生き残るただ1つの方法はイノベーションを起こせるようになること、そしてその方法は』です。
イノベーションが起こせるようになる方法が色々書いてあります。

『日本では肩書きや所属にこだわりすぎている』という記述がありました。
欧米では個人が自由に会社と契約を交わしたり、起業したりしている、日本では会社に所属することに重きがおかれていると。
派遣会社の人と話をしていて、こんなことを聞きました。
『会社によっては会社で働かず起業や自由業で稼いでいた期間はブランクとみられることもある』というのです。確かに組織という枠組み(柵)のブランクではありますが、正直言って起業・自由業で働くほうが遥かにしんどいし、色々な経験も積めるんですがね・・・
そんな会社にはあまり行きたくないなぁ。
こんなこともありました。会社での肩書きは、会社を離れればそれまでだけど、資格は共通の基盤がある。更にその資格が国際的に共通ならなおよい。
資格を取ることに反対の意見もあると思いますが、私は資格によると考えています。
また、資格は取ったら終わりではなく、始まりなのではないでしょうか。資格を持つもの同士、しかも異業種交流ができる資格は魅力です。

『日本は失敗を許さない文化』である。
こんなことがありました。今の職に就く以前、高等学校で実験助手をしていたときのことです。生徒が実験をちょっと失敗してしまいました。するとこんなことを言うのです。「先生、失敗したって怒らないの?」はぁ?って感じでした。「ふざけて危ないことをしたのであれば叱るけど、一生懸命やっているのに怒ったりしないよ。失敗するこは悪いことではないのだから、今の失敗を踏まえてもう一度やってごらん。」と言うと生徒はびっくりしていました。その生徒にとって失敗=悪だったんでしょうね。
生徒だけではありません。教員にもちょっと似た方がいらっしゃいました。生徒に失敗させないように先回りして色々気を配るのです。どうしてそんなことをするのか、失敗することがどうして悪いことなのか、と聞いてみたのですが、これまたびっくりした顔をされました。実験・実習の危険は回避しなければいけませんが、失敗はドンドンすればいいと思うんですがねぇ。大切なのはそこから何を学ぶかです。

著者はしきりに欧米の文化に触れるように本の中で言っています。
しかしそれは私にとってはかなり無理難題に近いと感じてしまいました。
でもこんな記述を読んで、これならできるかも!と思いました。
ノーベル賞を受賞された益川さんは英語は全くダメ、パスポートもお持ちではなく、授賞式に出席するために初めてパスポートをお取りになったそうです。でも英語の論文は読まれていたので、イノベーションを起こせたというのです。物理学者ですから、本文は読まなくても数式で文化のるつぼへ行けたというのです。おもしろい!そして元気が出るお話です。
実際に海外に行かなくても、インターネットでるつぼへ行くこともできると書いてありました。

『日本人は立食パーティや懇親会を十分に活用できていない人が多い』とも書いてありました。
知った人同士で固まっていてはダメで、色々な人と交流することが大切です。
以前の会社にこんな所がありました。とにかく挨拶しないんです。まるで挨拶するのが悪いことのような会社でした。挨拶したら睨まれたり、いがられたこともあります。後でわかったのですが、彼らの挨拶の基準は知っている(一緒に仕事をしたことがある)人かどうかなのです。知っている人には挨拶するけど、知らない人にはしない。
朝礼で「先日の懇親会で知っている人がいたので話をしてみました」という報告をしている人もいました。いや、知らない人とこそ交流しないと・・・と思いました。
技術は高い会社でしたが、雰囲気は最悪でした。私も知らない人との交流は上手ではありませんが、少なくとも交流したいと思って努力はしています。

ツラツラと思い出したことを書いてしまいましたが、日本の将来に不安を感じていて何かしたいと思っている方、イノベーションを起こしたい方は読んでみるといいかもしれません。

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