ビジネス・SOHO

なぜ断るのか

2014年12月13日
ソフトウェアの開発を時々依頼されますが、ほとんどの場合、お断りせざるを得ない状況です。
なぜ断らざるを得ないのかというと、採算に合わないから、なんです。

ソフトウェアそのものの金額はさほどでなくても、それにまつわるコミュニケーション料の方が遥かに値が張ってしまうケースがほとんどです。
色々なケースに出くわしましたが、代表的なものを挙げてみます。


ケース1
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インターネットの基本的なルールを知らない上、日常生活の基本的なことも通じない。

インターネットメールのやり取りのルールをご存知ない方からの依頼がありました。いえそれはいいんです。誰にでも最初はあるんですから。
なので、まず、こうするのが決まりなんですよと、事例を交えてお伝えしました。でもご理解いただけませんでした。
次に、インターネットメールのルールについて書かれたURLを幾つかお伝えしました。これでもご理解いただけませんでした。
更に次に返信なさってきたメールを添削してお返しいたしました。ご自分のお書きになったメールを、ルールに則ればこうなる、とお伝えすれば分かりやすいだろうと思ったのです。
すると・・・
ルールを全く無視したご自分のルールでお書きになり、これでいいですか?と言ってこられました。
嫌味かとも思ったのですが、どうやらそうではなさそうな感じでした。一般的なルールに従うのが嫌というか、自分独自のやり方がかっこいいと思っておられる節がありました。まぁこれは私が感じたことです。

どうしてルールを守る必要があるのか、それは読みにくいと誤解を招きやすくなる、他に考えなければならない大切な事があるのに読むことそのものに脳力をとられてしまうので何倍も時間がかかる、ともお伝えしました。

もうお手上げです。

この方は、インターネットメールのルールだけでなく、銀行振り込みの方法など、生活の基本的なことも、何度も同じことをお聞きになる方でした。
また、ソフトの仕様がコロコロ変わる方でした。細かな部分が変わるのはよくあることですが、根本がゴロッと変わるのです。

こちらのメールを読んでおられないのか、読んでもわからないのか、どちらかわかりません。

何度も同じことを説明しなければならないとなると、それだけ時間がかかります。その料金はどうするのか。こちらでは背負いきれませんから、依頼なさった方に背負っていただくことになります。
そうなると、とても現実的は料金で開発はできないのです。
開発料も2倍、3倍・・・となっていくのです。


ケース2
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あまりにも大雑把な説明しかなく、他力本願である。

いかにもコピペして色んな所へ同じ文章で送っていることがバレバレなご依頼メールをいただいたことがあります。
ソフトを使うのは依頼なさった方ご自身です。もしかしたら下請けの下請けをしようとなさっているのかもしれませんが。

ご自分がお使いになり、ビジネスを運用なさなければならないのです。つまり、ご自身が主体にならなけばならないのです。

何も書かずに見積もり依頼はできないから、簡単に2~3行だけ書いたという感じのメールでした。

何を開発して欲しいのか、やり取りし、こちらが理解する、いえ、見積もりを出せる段階になるまでに、途方もない時間がかかると判断しました。
当然、こちらでは背負いきれませんから、依頼者に料金を背負っていただくことになります。現実的な料金にならないことはやってみるまでもありませんでした。

もちろんお断りいたしました。するとそれが気に食わなかったらしく、なんだかんだ文句を言っておられました。
なぜ断るのか理由がわからないとか。って説明責任も義務もありませんが。


何とかして差し上げたいのは山々ですが、事業規模からどうすることもできません。もっと大きな規模だと、こっちで赤字でも、あっちで埋められるということがあるんでしょうけどね。